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韓国の新たな社会統合政策についての研究
Research for New Social Unification Policy in Korea

Facts

韓国の中国外交、朝鮮系中国人に頼りすぎては
いずれ限界が来る

黒田勝弘氏(産経新聞ソウル支局客員論説委員) 

産経新聞ソウル支局客員論説委員 黒田氏「ソウルからヨボセヨ」で、ビビンバを「羊頭狗肉」と毒づく一方で(産経新聞2009年12月26日)、新宿の韓国人学校移転問題では、韓国の日本人学校との兼ね合いから移転支援の考えを示す(産経新聞2016年3月26日)。1980年から84年、89年から現在に至る30年以上の年月を記者として韓国から日本へ情報を発信し続けている黒田氏は、韓国のメディアからは「妄言製造機」(chosun.com 2011.03.30他)とも呼ばれ、一時は「強制退去の危機」(ハンギョレ2005・4・12他)も経験している。近年の韓国における外国人認識について長期在留の外国人勤労者という立場からお話をお聞きした。

Q:外国人勤労者(記者)として30年暮らしているが。

黒田氏:現在は産経新聞社ではソウル支局客員論説委員であり、韓国在留のために産経新聞社が在職証明を発行してくれているので、この年齢でもジャーナリストのビザで在留している。昔にくらべ出入国の管理は簡素化されビザ延長15分で出来るようになった。

また、海外旅行をする韓国人旅行者対象に出入国管理局は、渡航国に到着すると、海外旅行中の事故等の連絡用に携帯電話にテレフォンセンターの番号をアナウンスしている。日本の大使館に日本人向けに同様のサービスを提案をしたことがあったが、コスト面で難しいとの事であった。こうした面からは韓国の制度整備は一歩進んでいると言える。

2005年に資格外活動で出入国管理局から摘発を受けた。韓国の新聞には「黒田産経支局長、強制退去か」とまで書かれた。これは自分の住まいのそばにある西江大学で日本語による教養講義を三年間客員教授として行った時のことだ。近所のよしみで町内会のボランティアに参加するような気持ちで引き受けた。報酬は交通費程度であったが、これが査証とは異なる活動であるとのことであった。過料として私個人は800万ウォン、大学は1000万ウォンを支払った。

こうした資格外活動はうっかりということもある。日本人の知り合いが航空会社の機内誌の原稿料を得たことが資格外に当たると過料を払ったものもいる。

 

Q:記者として長く韓国で生活されているが。

産経新聞ソウル支局客員論説委員 黒田氏

黒田氏:軍事政権期は韓国人の記者に対して強い言論統制が敷かれていた。反面、日本人記者は韓国人記者が書けない内容を日本に発信することができた。当時は外国人が少なくその他の面でも色々と特恵が多く、有難がたがられた。今は変わった。

日本がらみでいえば、ロッテの問題がそうだ。韓国を代表する財閥であったはずが、日本の会社だとわかるとメディアは国富流出と書き始める。加藤記者の件もそうであろう。これは日本のメディアの影響力を政府が自覚しているからだが、メディアにとっては日本が相手だと批判しやすい。

Q:外国人の受容についてのお考えは?

黒田氏:韓国は外国人が住みづらい国だ。華僑でも住みにくい。韓国は排他的で華僑は盲腸のようなものだ。60年代は土地所有も限定されていて財産形成ができなかった。92年に国交正常化したが、韓国人は中国が嫌いだった。貧しいし、共産主義というイデオロギーが敵対している。功利的な経済発展もだ。ただ、重要だ。だからこれまでの日本への関心は中国に向いている。

今の中国を富士山に例えれば、日本は遠くから見ていて美しいと思えるが、韓国は御殿場やふもとから見ているようなものだ。韓国の中国外交の経験は地理的な環境条件上も、歴史的な長さという点でも、日本が考えているよりもはるかに経験が豊富であり、そしてうまくやっている。国交樹立前、韓国での中国の情報といえば、李泳禧氏の論考であった。文革から現代中国に至る時期を対象としていたが、論考の元となったのは岩波書店の世界であった。それほど韓国人が中国の情報に接するのが難しかったということだ。

近年、韓国内での朝鮮系中国人の増加が著しいが、韓国は国交正常化以降、彼らを利用して北朝鮮関連も含め、韓中関係を形成してきた。また、中国サイドも韓中関係を進める上で多分に彼らを活用してきた。ただし、韓国の場合は朝鮮系中国人に頼りすぎてしまった。中国のより重要なポジションにコミットするためには、中国では朝鮮系中国人には厚い壁があるため限界がある。(2016年9月)

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